女が、いた。
ここは戦場なのに、どうして女がいるのだろう。
逃げ遅れた人なのか。
それとも、失った夫か子供を捜してさまよっている人なのか。
どちらにしても、戦場では邪魔なだけの存在だ。
見咎めた同僚が声をかける。
なぜだろう。
なぜ、さまよい人であろう女が、血のついた剣を持っているのだろう。
「死にたくなければ…」
同僚の声が途切れる。
「死にたくなければ、なに?」
女との距離は、ずいぶんとあいていたはずだ。
一瞬にして詰められて、構える暇もなく剣が首の横にすわる。
「ふふふ」
嬉しそうな顔をした女。
白い服に、赤い点が花を咲かせている。
その点に、俺もなるのか。
「いただき、ます」
キレイに、笑った。
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序章です。
これから、続くのかしら…という不安でいっぱいです。
詳細は、メルフォ返事用途の日記にて。
ここまで読んでくださって、ありがとうございます。
2006/03/14
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